ごあいさつ
京都大学は、平成28年12月に「数理及びデータサイエンスに係る教育強化」拠点大学の一つに選定され、それを受けて、平成29年4月1日、国際高等教育院に附属データ科学イノベーション教育研究センターが設置されました。本センターは全学共通科目から大学院教育を含めたデータ科学の教育とそれに必要な調査研究等を行うことを目的としています。
データ科学あるいはデータサイエンスは科学研究の基本の一つと考えられます。自然科学のみならず人文・社会科学においても、現象を観察してその結果をコンピュータに記録し、解析することにより現象の裏に潜む原理を解き明かす、という手法が用いられます。科学研究でだけでなく、企業活動においてもデータを収集して分析し、ビッグデータとして活用することが多くなっています。さらにビッグデータは、法律・政策、金融・保険、健康・医療、災害対策など社会における様々な分野で扱われることになると考えられます。そしてビッグデータの解析と人工知能などの高度な情報技術を原動力にして近い将来起こるであろう「第4次産業革命」を主導する人材が必要とされています。データ科学はビッグデータ時代の基礎的教養となる学問です。
データ科学を学ぶには、統計学だけではなく、数理科学、情報学も並行して学ぶ必要があります。センターでは、これらの3分野が学べるような講義を設計し、提供していきます。さらに学期中の講義以外にも夏季休業中や春期休業中に集中講義や集中セミナーを開催する計画も立てていますので、より多くの学生に専門分野を超えてデータ科学を学んでもらいたいと考えています。