京都大学国際高等教育院附属 データ科学イノベーション教育研究センター

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数理・データ科学のための数学入門II

開講時期 年度 後期
担当教員 国際高等教育院 特定講師 中野 直人
授業情報 (群) 自然 群 (分野(分類)) データ科学(基礎) (使用言語) 日本語
(旧群) B群 (単位数) 2単位 (週コマ数) 1コマ (授業形態) 講義
(開講年度・開講期) 2021・後期 (配当学年) 全回生 (対象学生) 全学向
(曜時限) 木2
(教室) 4共20
授業の概要・目的 高度情報化社会である今日,至るところに蓄積される大量のデータを解析するための科学であるデータ科学は,学術全般・産業界のみならず日常生活の至る所に大きな変化をもたらそうとしている.データ科学の根幹である情報学・統計学・数理科学に対する基本的な理解,特に基礎的な数学の素養は社会を支える広範な人材にとっての基礎的な教養となりつつある.

将来の予測や最適化に微分を,分布を調べるのに積分を用いるように,微分積分学は数理・データ科学のために必要となる数学の基礎的内容である.本講義ではその入門として微分積分に関する総合的な内容について講義をおこなう.理論的な事項には深く立ち入らず,計算手法やそれらの内容がどのように数理・ データ科学に用いられるかを理解することを目的とする.また,現代では計算は主にPCを用いて行うため,その計算に必要なツールの利用方法についても習得し,学習した内容をPCで実践できるようになることを目指す.

文系学生が受講可能なように高校での数学IIIの知識を仮定せず,必要が生じれば,その都度補う形で進める.

到達目標 微分積分学の基礎的な内容について理解できるようにする.
微分積分学が数理・データ科学にどのように用いられるかを理解する.
数学的理論だけでなく,実際のツールを用いた計算手法についても習得できるようにする.
授業計画と内容 次の内容について解説する予定である.各単元では,数理・データ科学への用いられ方にも適宜触れる.尚,授業回数はフィードバックを含め全15回とする.
1.導入:微積分学と数理・データ科学のつながり(1回)
2.数学の基礎(1~2回)
(数学で用いられる記号,集合,初等関数)
3.数列(1~2回)
(数列,和の記号,級数,極限,等差数列,等比数列,数列の応用)
4.微分(3~4回)
(関数の極限,関数の連続性,微分,極値,テーラー展開,簡単な最適化問題)
5.積分(2~3回)
(定積分,不定積分,モーメント,図形の面積,曲線の長さ)
6.微積分学の数理・データ科学への応用・発展(2~3回)
7.フィードバック(1回)

数理・データ科学に関するトピックを扱うのに必要な数学の学習には KoALA におけるオンライン学習教材を用いる.事前にビデオ教材を視聴し,設問に各自で取り組む.講義時間中は,主としてその概説を行い,事前に学習した内容に関して質疑応答を行う.

また,学習した内容を実践するための演習には MATLAB Grader というツールを用いる.数理・データサイエンスの内容に即した課題をオンライン上に設置したコースページから取り組む.MATLAB のプログラミングの講義ではないので,MATLAB の利用に必要な知識技術等は全てコースページにおいてガイドする.

KoALA,MATLAB Grader 共にウェブブラウザがあれば学習と演習が可能であり,メディアセンターのPC,自己所持ノートPCだけでなくタブレットやスマホでも取り組むことが可能である.

各講義時間の進め方は以下の通り:
・KoALAのビデオ教材の概説と質疑応答
・数理・データサイエンスのトピックの紹介
・MATLAB Grader の課題の概説と質疑応答

履修要件 この講義ではオンライン教材を用いて学習・演習を行うため,PCの利用環境があることが望ましい.個人のノートPCでなくとも,メディアセンターのPCでもタブレットやスマホでもオンラインコンテンツの利用は可能である.また,講義にPCを持参すると学習はしやすいが,PCの持ち込みを必須とはしない.MATLAB Grader の利用において,MATLAB の事前知識は一切仮定しない.演習に必要な知識技術は全てこの講義中に紹介する.

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